トイレなどの施設やサービスを図記号で表示する、いわゆる"ピクトサイン"の多くはJIS化されていて、それを使用したほうが広く一般に認知されやすいといいます。
しかし実際にモノをデザインする段階では、機能性を重視したい反面、デザイナーの遊び心が入り込む時がままあります。
写真のサインは秩父鉄道長瀞駅の前にある公衆トイレのもので、最近撮ったものです。
確か数年前に訪れた時は、木製の侍のシルエットのピクトサインだけが付いていて、なかなか味があって面白いなと思った記憶があります。
赤や青で大きく表示されたサインは最近追加されたものと思われます。
長瀞は石畳やライン下りが有名ですが昔の話し。
一時さびれた観光地というイメージがありましたが、いまは少し復活したのでしょうか、サインに中国語や韓国語が表記されています。
それにしても、だからといってこのサインの付け足しはチョット残念。
折角のオリジナリティーが標準規格によって埋もれてしまいました。
まあ、元々の小さなサインだけではかなりの混乱があったんでしょうが。
しかし日本人は短絡的と言うか、問題が起きるとすぐにこういう形で処理してしまう国民ですね。
最初にデザインした人だったら、もっと違った形で解決してくれてたでしょうに。
社長
前回に引き続き青山周辺の小さな置き式サインを紹介します。
まずは木製の折畳み式サイン。
通称A型サインと呼ぶのでしょうか。横から見た形がA。
文字はカラフルなペイントで親しみを感じます。
次は同じA型サインでも、これ以上シンプルなものは無いといったデザイン。
小さくても可愛らしくて目立ちます。
更にこちらは折りたためないA型サインです。
異形鉄筋を上手く利用して、植木が置けるようになっています。
吊下げ風に見えるサイン表示部分は照明入りで意外と凝ったサインです。
最後はA型サインではありませんが、木箱を重ねたようなデザインで素朴感があります。
木製サインはそんなにカッチリ作らなくてもカッコいいし、逆に粗く作ったり古びたほうが味が出てイイ感じです。
住宅地に紛れて点在するようなお店は建物の壁面をサインで着飾るよりも、むしろこれらのような個性的で小さなサインが何気なく店先にポツンと置いてあるほうが、ある意味強く主張しているような感じを筆者は受けますが、皆さんはいかがでしょう。
社長
以前、青山あたりをサインウォッチングしたときに撮ったものをご紹介します。
表通りには大きなビルや有名なブランド店が立ち並んでますが、ちょっと裏通りに入ると閑静な住宅地にポツリポツリと小さなブティックや雑貨店があります。
それらのお店のサインはこじんまりとしてますが、個性的で手作り感漂うものが多くあります。
今回は数あるサインの中から少しだけ紹介します。
コート掛けのようなロートアイアンのサインは片手でも持てそうなほど細身です。
てっぺんに白いマネキンの手がワンポイントで効いています。
粗大ごみ?のように見えますが歴としたスタンド看板です。
たしかヘアーサロンだったような。
下のほうにかすかに料金表が見えます。
灯りも入っているようです。
スチールワイヤーで精巧に作られた花とギター。
店名もそのままです。
最後はちょっと妙な組み合わせのサイン。
自転車を看板の置き台にしたサイン。
表示も手描きでとってもリーズナブル。
次回もこのテーマで続きをご紹介します。
社長
サインの役割とは何でしょう。
人が目的の場所へ辿り着けるように方向や場所の名前を指し示す役割。
人に企業や商品をPRする広告としての役割。
お店なら存在感を高め、商売繁盛につなげる役割。
企業ならコーポレートアイデンティティの具現化、表札などの役割。
街の中には十分に役割を果たしていないようなサインも見かけます。
下の写真は営業中の居酒屋の提灯。
屋号らしいサインが他に見当たらなかった点を考えると、かつてこの提灯がサインの役割を果たしていたことと思われます。
しかし今は...。逆に看板になりそうな朽ち具合です。
そしてその下のスタンドサインも...。
ここまでくると読めませんね。
簡単に撤去できそうなものですが、ここに鎮座して果たす役目がきっとあるんでしょうね。
どちらのサインにも聞いてみたいところです。
社長
出張で大阪へ行ってきました。
「あべのハルカス」高さ300mです。
横浜ランドマークタワーより4m高い、現在日本一高いビルです。
この日は天気に恵まれ、晴天に突き刺さるかのごとくそびえ立っていました。
外装工事はほぼ終わっていますが、まだまだ建設中で2014年オープンとのことです。
サインに期待してみたのですが・・・
アンカーボルトと電線らしきものは出ていましたがさすがに気が早かったようです。
余談ですが先日、某建設会社設計士講演会での質問コーナーで、
「機能的なことはさておき、ただ単に高くタワーを建てるとして、
日本の今の技術で物理的にどこまでの高さが可能か?」
という質問に対し、
「2000mくらい」
との回答でした。
これはタワーの話でしたが、ビルもまだまだ高層化が進むのであれば、
いったいどこまでいってしまうんだろうと気が遠くなる思いでした。
ハイドン